下肢静脈瘤の症状・種類・診断方法

下肢静脈瘤の症状

下肢静脈瘤の症状

足元下肢静脈瘤は、初期には血管が膨らんで見えるだけでとくに症状はありませんが、進行するにしたがって以下のようなさまざまな症状が見られるようになります。左右で差があることもあり、また、朝よりも夕方に症状が強く出ることも多いようです。

  • 血管が浮き出て見える
  • 脚がだるい、重く感じる、疲れやすい
  • 脚が張っている、腫れる、むくむ、しびれる
  • 夜中にこむら返りが起こる
  • 皮膚に色素沈着、湿疹、潰瘍ができる
  • 出血を伴う

下肢静脈瘤が進行した場合、血液が停滞して(これをうっ滞といいます)血栓ができたりするため、血栓性静脈炎という血管と皮膚が腫れる症状が生じることがあります。さらに悪化すると、皮膚が壊死したり、潰瘍ができたりします。

下肢静脈瘤の種類

伏在静脈瘤

伏在静脈瘤大小2本の伏在静脈は脚の表面近くを走る太い静脈です。ここに静脈瘤ができるとボコボコと大きく膨らんだコブが目立ち、だるさや浮むくみを感じます。伏在静脈の本幹および主要分枝の静脈拡張が見られるものです。
大伏在静脈は脚の付け根からももの内側を走っていて、付け根の静脈弁が壊れて膝の内側に静脈瘤が目立ちます。小伏在静脈は膝の裏側からふくらはぎに走っていて、膝の後ろ側の静脈弁が壊れてふくらはぎに静脈瘤が目立ちます。
重症化した場合、手術が必要になることがあります。

側枝静脈瘤・分枝静脈瘤

側枝静脈瘤・分枝静脈瘤伏在静脈よりさらに末梢分枝、交通枝(伏在静脈と深部静脈をつないでいる静脈)の静脈拡張があり、しばしば孤立して見られます。ふくらはぎに比較的多く見られます。

網目状静脈瘤

網目状静脈瘤皮下小静脈の拡張で、文字通り網目状に広がることが多く膝窩部(膝裏のくぼみ)によく見られます。鮮明な青色であることが多いようです。細い血管のためコブというほどにはならず、また症状もとくにありません。重症化しないため、治療の必要もありません。

クモの巣状静脈瘤

クモの巣状静脈瘤皮内細静脈の拡張です。これも網目状静脈瘤と同じく細い血管のためコブにはならず、症状もありません。赤紫色をしていることが多いようです。

下肢静脈瘤の診断

下肢静脈瘤の診断は理学的に触診や病変の診察を行うだけでなく、超音波や静脈造影などを駆使して多角的に診断します。

ドプラ血流検査(超音波検査)

超音波で逆流の診断をします。短時間で済み、痛みを感じることもありません。下肢静脈瘤の診断に必要な多くの情報を得ることができます。

カラードプラ検査(超音波検査)

血流の様子を色分けして表示することができる装置を使用した検査です。血管の状態を視覚的にわかりやすく確認することができます。

容積脈波検査

血圧を測るときに腕に巻くカフのようなもの(マンシェット)を足首に巻き、そこに空気を送り込んでつま先立ち運動をすると脚の静脈の容積、容積変化が測定でき、静脈の機能の健全度が判断できる検査です。

静脈造影検査

脚のレントゲン撮影です。足の甲またはくるぶしから造影剤を注入し、とくに深部静脈の状態(閉塞や狭窄)を観察する検査です。カラードプラ検査でわからない部分があったような場合に確認のため行われることがありますが、他の検査の精度が上がったことで最近ではあまり行われなくなっています。

CT・MRI検査

静脈や静脈瘤を3Dの画像として確認できるため非常にわかりやすく、また患者さんへの負担も軽いのですが、下肢静脈瘤の検査としてはあまり一般的ではありません。

TEL:042-464-1511初めての方へ
一番上に戻る