下肢動脈瘤とはどんな病気ですか?
足の静脈の弁が壊れることで血液が逆流し、血管が腫れて皮膚表面にボコボコと浮いて出てくる病気です。加齢とともに悪化するため早めの治療が必要です。重症化する場合、日常生活に支障をきたすことがあります。服用薬などはなく、治療は手術になります。
下肢動脈瘤の原因は何ですか?
表在静脈(多くは大伏在静脈、小伏在静脈)内で弁が壊れて逆流が起こり、表在静脈の枝に流れ込むことで静脈瘤が生じます。静脈の弁が壊れる原因については妊娠・出産、長時間の立ち仕事、体質など、さまざまな理由が考えられています。
下肢動脈瘤にはどんな症状が出てきますか?
初期には血管が膨らむだけでとくに症状はありませんが、進行するにしたがって脚がだるい、重く感じる、疲れやすい、脚が張っている、腫れる、むくむ、しびれる、夜中にこむら返りが起こるなどの症状が見られます。進行した場合、血液が停滞して血栓性静脈炎が生じることがあります。さらに悪化すると、皮膚が壊死したり、潰瘍ができたりします。
下肢動脈瘤にはどのような種類がありますか?
弁不全の場所や血管の腫れの程度によって主に以下の4つに大別されます。
- 伏在静脈瘤:脚の表在静脈の中でも最も太い静脈の静脈瘤で、ボコボコと大きく膨らみます。
- 側枝静脈瘤:伏在静脈から枝分かれした静脈に拡張があるもので、ふくらはぎに比較的多く見られます。
- 網目状静脈瘤:皮下小静脈の拡張で、網目状に広がります。鮮明な青に見えます。
- クモの巣状静脈瘤:皮内細静脈の拡張で、クモの巣状に広がり、赤紫色に見えます。
下肢静脈瘤の治療薬はありますか?
内服薬や注射薬はありません。
下肢静脈瘤は遺伝しますか?
明確な遺伝は確認されていません。親などに下肢静脈瘤を発症した人がいる方は発症しやすい傾向があるようですが、むしろ生活習慣の方が大きく影響するという指摘もあります。